現在、海外の先進的な企業の間では、従来型の評価制度を見直す機運が高まってきています。 日本国内では、現状の評価制度に対してどのように感じているのでしょうか。働く人を対象に「人事評価制度」に関するアンケート調査を実施しました。
現在の人事評価制度への満足度を聞いたところ、「満足」と「どちらかというと満足」の合計が37.7%、「どちらかというと不満」と「不満」の合計が62.3%。勤務先の評価制度に不満を持つ人が、6割以上にのぼった。また、評価者と被評価者に区分して集計したところ、評価者では「満足」と「どちらかというと満足」の合計が41.0%、被評価者のそれらの合計が35.7%となり、大きな差はみられなかった。
人事評価制度への不満の理由は、「評価基準が不明確」がもっとも多く(62.8%)、それ以外の項目を大きく上回っている。
次いで「評価者の価値観や業務経験によって評価にばらつきが出て、不公平だと感じる」(45.2%)、「評価結果のフィードバック、説明が不十分、もしくはそれらの仕組みがない」(28.1%)となった。
人事評価制度の見直しが必要であるかという質問に対しては、「見直す必要がある」が77.6%となり、「必要がない」22.4%を大きく上回る結果となった。人事評価制度に取り入れて欲しいことは「部下が上司を査定する制度」、「個人名を非公開にした、人事評価の開示により、自分の評価が全社のなかでどのレベルであるか認識できる仕組み」などといった内容が自由回答で得られた。
部下やメンバーを評価する立場にある評価者を対象に、自分が適切に人事評価を行えているかを質問したところ、「そう思う」と「どちらかというとそう思う」の合計が77.8%と8割近い人が自分の評価が適切であると回答した。しかし、「そう思う」のみでは、16.8%と2割未満にとどまり、自信をもって「適切」といいきれる評価者は限られていることがわかった。